最近、ダイブコンピュータを持っている人はとっても多くなりました。
- 安全停止だけはしっかりやるけどダメですか?
- 必要と言われて買ったけど、ほとんど見てない~
- ダイビング中になにを確認するのか教えてほしい
ダイブコンピュータの使い方を教える機会は少なく、使い方を知らずにつけている人はたくさんいます。
取扱説明書は読むのが面倒だし、じっくり教えてもらってないから、何を見ればいいのかわからない~!
この記事では、ダイビングで重要な3つの機能がわかる上に、ダイビングの安全性がUPすることができます。
18年間のインストラクター経験と来店してくれたゲストの「疑問や意見」を参考に
- 中立な立場で
- 知識と実践の経験を生かした
- 本当にいいと思うこと
を紹介しています。
取扱説明書のどこを読んでも使い方はわかりにくいです。
大切なことは重要な機能を知ることです。
ダイブコンピュータの使い方を知りたい人はぜひ、最後まで読んでみてね!
ダイブコンピュータの使い方を知ると、何を見ればいいのかがわかるようになります。
ダイブコンピュータの使い方を紹介
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ブログ管理人の
モンツキくん
著者
藤田 勝弘
- 長年の経験で得たダイビングの知識を多くの人に伝えるために開設
- ダイビング未経験の初心者が楽しみながら100本で「できるダイバーになる!」を体系的に学べるブログ
- 中立的で誰よりもわかりやすい解説を目標にしている
「モンツキくんの詳しいプロフィール」も紹介しています。
36才で会社を辞めて東京から沖縄に移住しました。初めてのダイビングでライセンスを取得してから、不安ながらも仕事として決意!試行錯誤の日々を過ごし、18年のダイビングインストラクター経験をもとに「小さなダイビングショップ」で海を案内しています!
ダイブコンピュータの意味は減圧症のリスクを減らすこと
ダイブコンピュータ(通称ダイコン)にはたくさんの機能がついています。
潜水時間や水深なども必要な機能ですが、一番重要な役目は減圧症になるリスクを減らすことです。
減圧症にならないようにダイブコンピュータを確認しないとダメなんだね!
減圧症とは?
ダイビングで体に蓄積する窒素が急浮上の激しい変化などで気泡化すること。
体の様々な組織(血液、脊髄、脳、肺、脂肪、骨、関節など)に損傷を与えたり、血管を塞ぐことで発症します。
症状は赤い発疹や関節の痛みなどから重篤な場合は中枢神経に障害、めまい、呼吸困難や胸痛など後遺症が残る場合もあります。
ダイビングの減圧症になる要因は浮上速度オーバーと体に窒素を溜めすぎることです。
そうならないように、どういうダイビングをしたらいいの?
ダイブコンピュータの確認と「安全に潜る5つのルール」を守るダイビングを目指しましょう!
- 無減圧潜水時間(NDL)の時間に余裕を持つ
- 潜水時間は40~45分までにする
- 安全停止を終えてエキジットする
- 警告音が鳴らない速度でゆっくり浮上
- 潜り方は深い水深から徐々に浅くする
「安全に潜る5つのルール」は減圧症になるリスクを軽減する潜り方です!
ダイブコンピュータの表示を理解する
ダイブコンピュータが表示していることを理解したい~!
ダイビング中と陸では表示内容が違うのでそれぞれ紹介していきます!
今回は初めて買う人に一番おすすめしているTUSAメーカー「IQ1204」を参考に紹介します。
「ダイブコンピュータのおすすめ」を知りたい人に最適!
他メーカーのソーラー充電タイプも操作方法が似ているので参考になります。
ダイビング中の[ダイブモード]表示
ダイビング中のダイブコンピュータ表示は3つあります。
- 潜水時間
- 現在の水深
- 無限圧潜水時間(NDL)
最大水深、水温、現在の時間はメインまたはサブ画面で表示しています。(機種に差異あり)
無限圧潜水時間(NDL)とは?
今の水深で減圧停止をしないで潜れる時間のことです。言い変えると、体内に「窒素がこれ以上たまると危険!」という量を時間に変えて表示しています。
例えば上写真では「水深29.8mでNDLが6分」と表示
⇒減圧停止をしないで水深29.8mに潜れるのは最大で6分という意味になります。
NDL=No Decompression Limitの略
他のダイブコンピュータとも比較して確認してみました。
潜水時間、現在の水深、無限圧潜水時間(NDL)は必ず表示されています。
陸の[サーフィスモード]表示
陸のダイブコンピュータ表示は3つあります。
- 体内窒素排出時間(DESAT)
- 現在の時間
- 水面休息時間(SURF.T)
体内窒素排出時間(DESAT)とは?
陸にいる状態と同じになるまで、体内に溜まった窒素を排出するのにかかる時間です。
例えば上写真では「DESAT 26:22」と表示
⇒体内に溜まった窒素を排出するのに26時間22分かかるという意味になります。
DESAT=Desaturationの略(排出されていくという意味)
他のダイブコンピュータとも比較して確認してみました。
体内窒素排出時間(DESAT)、現在の時間、水面休憩時間(SURF.T)は必ず表示されています。
陸ではサーフィスモードではなく、時計モードにも変更もできます。
時計モードでは日付、曜日、現在の時間が表示され、普段使いがしやすくなります。
サーフィスモード→[ADJUST]押す→時計モード→[ADJUST]押す→サーフィスモードに戻る
ダイブコンピュータに表示がわったら、次はダイブコンピュータでなにを見るのかを紹介していきます。
ダイビングで重要な3つの機能を紹介
ダイブコンピュータを確認して減圧症のリスクを軽減することは重要なことです。
ただ、ダイブコンピュータを気にしすぎると、水中の世界を楽しめなくなります。
ダイブコンピュータをどう使っていけばいいのか教えてほしい~!
ダイビング中に重要な機能は3つです。
- 無減圧潜水時間(NDL)
- 浮上速度の警告音
- 安全停止確認タイマー
「安全に潜る5つのルール」を守るのに必要な機能です。
無減圧潜水時間(NDL)
無限圧潜水時間(NDL=No Decompression Limit)とは、今の水深で減圧停止をしないで潜れる時間のことです。
言い変えると、体内に「窒素がこれ以上たまると危険!」という量を時間に変えて表示しています。
上写真は「水深17.5mでNDLが5分」と表示しています。
⇒「減圧停止をしないで水深17.5mで潜れるのは最大5分」になります。
窒素が溜まりやすい水深15m以上で確認し、無限圧潜水時間(NDL)の時間に余裕を持って浅瀬へ上がります。
- 水深30m以上なら数分毎に確認
- 水深15~30mなら5~10分で確認
無限圧潜水時間(NDL)の時間に余裕を持つことで減圧症になる確率がかなり低くなります。
「無減圧潜水時間(NDL)の時間に余裕を持つ」とは?
無限圧潜水時間(NDL)が0になるまで潜るのでなく、窒素の蓄積を抑えるために数分の余裕を持って浅瀬に上がることです。
「時間に余裕を持つ」ってどれくらいの時間なの?
水深によって「時間に余裕を持つ」は時間が違います。
「TUSA IQ1204」ダイブコンピュータの「M値警告機能」を参考に見ていきましょう。
M値警告機能とは?
「M値警告機能」とは体内に溜まった窒素量が90%(80%・95%にも設定可能)になったら、浅瀬へ浮上することを知らせてくれるアラーム機能です。
「TUSA IQ1204」のダイブコンピュータだけにある機能です。
「M値」とは体内窒素の蓄積が100%になることです。これ以上たまると減圧停止をする必要がある状態となり、無限圧潜水時間(NDL)は0になります。
「M値警告機能」窒素量90%の設定を参考(24ページ)
水深 | 無限圧潜水時間に余裕を持つ時間 |
30m | 3~4分 |
25m | 4~5分 |
20m | 7~8分 |
15m | 12~13分 |
「無限圧潜水時間に余裕を持つ時間」は水深によって3~13分とずいぶん違いますね。
上写真は「M値警告機能」で水深20m付近でNDL7分になり、アラームが鳴りました。
- M値(体内窒素量)が90%(デフォルト)で警告音が3秒鳴る
- 右上に「M値の%」と「M-OV」文字のスクロール表示
- 左下の「体内窒素量バーグラフ」が点滅
もっと早く知らせてほしい場合は90%→80%に変更もできます。
[PLAN]押す→[ADJUST]長押し→[ADJUST]を2~3回押す→Mval 90%が点滅→[PLAN]押して80%、90%、95%を選択→[MODE]長押し→時計モードに戻る
無限圧潜水時間(NDL)が0までが安全ではありません。
浮上速度の警告音
ダイビングの減圧症になる要因の1つが浮上速度オーバーです。
浮上が速くなると、体に溜まった窒素の排出が追いつかずに気泡化し、体の組織や血管を塞いだりして減圧症のリスクが高くなるからです。
ボートダイビングでは安全停止からエキジットまでの間で浮上速度オーバーの警告音が鳴る人がとっても多いです。
「ピピピッ」と警告音がなったら浮上が速くないか確認し、必ず一旦止まって、再びゆっくりと浮上します。
上写真は警告音と同時に浮上速度オーバーで「SLO」と表示しました。
- 10m/分を超える速さで急浮上すると、警告音が6秒鳴る
- メインに「SLO」文字が6秒点滅する
水深が浅い所では、特に浮上速度に気をつける必要があります。
警告音が鳴ったら、必ず一旦止まってから、ゆっくりと浮上しましょう。
安全停止確認タイマー
無限圧潜水時間を超えていなくても、安全のために水深5m付近で3分間停止をして窒素を排出します。
安全停止中に3分間のカウントダウンを確認し、必ず終了後にエキジットする。
6mより深くなるとカウントダウンが一時停止し、10m以上潜るとリセットするので注意しましょう。
上写真は安全停止中で「STOP」と残り51秒と表示しています。
- 10m以上深く潜った後に、水深6mに浮上するとピッと鳴る
- メインに「STOP」文字と「現在の水深」が交互に点灯する
- 右上に安全停止のカウントダウン開始→終了後「↑OK」→ダイブモードに戻る
安全停止のカウントダウンは水深が1.6~6mで作動しますが、水深5m付近で安全停止をしましょう。
無限圧潜水時間が0になったら必ず減圧停止をする
無限圧潜水時間(NDL)が0になると「減圧潜水」となり、必ず減圧停止をしなければなりません。
減圧停止をしないと減圧症になるリスクが高くなるからです。
減圧停止ってどうするの?
減圧停止は体内にたまった過剰な窒素を排出するために、水深3.5m付近まで浮上し、指定された時間まで停止します。
ただし、深い水深から急浮上しないように、まずは水深10mを目指して浮上し、再度ゆっくりと浮上して水深3.5m付近で減圧停止後、水深5m付近で3分間の安全停止をしてエキジットします。
減圧潜水になる1分前
上写真は無限圧潜水時間(NDL)が残り1分になりました。
1分後に減圧潜水になりました。
上写真は無限圧潜水時間を超えて減圧潜水になったので「DECO」と「↑3m」が表示しました。
- 減圧潜水をすると、警告音が6秒鳴る
- 上に「DECO」の文字が表示
- 右上に「↑3m」の文字が表示
- メインで「現在の水深」が点滅する
- 左下の「体内窒素量バーグラフ」が点滅する
ゆっくりと水深3.5m付近まで浮上すると、減圧停止のカウントダウンが始まります。
上写真は水深3.1mの減圧停止中で残り5秒と表示しています。
減圧停止後に、安全停止3分間のカウントダウンが始まります。
上写真は安全停止中で残り2分52秒と表示しています。
- 右上に減圧停止のカウントダウン開始→安全停止のカウントダウン開始→終了後「↑OK」→ダイブモードに戻る
- メインに「STOP」文字と「現在の水深」が交互に点灯する
まずは無限圧潜水時間(NDL)が3分を切ると「無限圧潜水時間」が点滅し、警告音が3秒鳴るので、減圧潜水をしないようにゆっくりと浮上していき、無限圧潜水時間内で楽しむように心がけましょう。
減圧潜水の警告を無視して浮上すると、「DECO」と「現在の時間」が点灯し、48時間ダイビングで使えなくなるよ!
自分で安全を意識しながら潜る
ダイビングは自分で安全を意識しながら潜る必要があります。
インストラクターについていけば、必ず安全と思っているダイバーが多いからです。
インストラクターは安全面を考えて案内しますが、インストラクターより深く潜ったり、急浮上したり、安全とは言えないダイバーも少なくありません。
ダイブコンピュータや残圧計も気にせずに潜るとパニックになることもあります。
- 無減圧潜水時間(NDL)の時間に余裕を持つ
- 空気の残量をこまめに確認する
- インストラクターより深く潜らない
- 急な浮上をしない
- 安全停止をしっかりする
ダイブコンピュータの使い方を理解し、安全を意識したダイバーになりましょう!
ダイブコンピュータを見ることは残圧計を見ることと同じくらい重要なことです。
よく使う9つの機能を紹介!説明書よりわかりやすい操作方法を解説
ダイブコンピュータの機能があり過ぎても、使う機能はほとんど決まっています。
本当によく使う機能や設定を9つ紹介します。
- 操作がわからなくなったらサーフィス(時計)モードにリセット
- ソーラー式の充電残量のチェック
- ユーザーセイフティーファクターで安全性を上げる
- ナイトロックスのタンクで潜る設定
- ナイトや暗い時はライト点灯が便利
- ダイブログをダイブコンピュータで直接見る
- ダイブログをスマートフォンで見る
- 飛行機搭乗禁止マークが消えても飛行機に乗れない?
- ダイブヒストリーの合計本数を経験本数に合わす
この機能や設定は便利で知っておきたいものばかりです。
逆に、それ以外はほとんど使っていません。
特に、「サーフィス(時計)モードにリセット」を知っているだけでも、操作を間違えても簡単にリセットできるのでストレスがなくなります。
よく使う9つの機能の操作を詳しく知りたい人は、ぜひ読んでください!
ダイブコンピュータはどれがいいの?と迷っている人に最適!
ダイブコンピュータをさらに使いこなせるようになりましょう!
ダイブコンピュータの指示を守っても減圧症になることがある
ダイブコンピュータを持っていれば減圧症にならないの~?
最後に、ダイブコンピュータの役割は減圧症になるリスクを減らすことです。
ダイブコンピュータの指示を守っているから絶対に減圧症にならないというわけではありません。
ダイブコンピュータはダイバーの体型や年齢、体調まで考えていないからです。同じ人でもその日の体調が良くなければ、減圧症になるリスクは高くなります。
疲労、脱水症状、高齢、体調不良、飲酒、肥満、喫煙、ダイビング後の飛行機搭乗なども減圧症の要因になります。
安全に潜るためには余裕を持ったダイビングが必要になってきます。
ダイブコンピュータの使い方を理解することで自信もつき、安全で楽しいダイビングが続けていけます。
【初心者】ダイブコンピュータの使い方|ダイビングで重要な3つの機能を〔TUSA IQ1204〕で解説のまとめ
今回は「【初心者】ダイブコンピュータの使い方|ダイビングで重要な3つの機能を〔TUSA IQ1204〕で解説 」というテーマを紹介しました。
【初心者】ダイブコンピュータの使い方|ダイビングで重要な3つの機能を〔TUSA IQ1204〕で解説!
- ダイブコンピュータの意味は減圧症のリスクを減らすこと
- ダイブコンピュータの表示を理解する
- ダイビングで重要な3つの機能を紹介
- 無減圧潜水時間(NDL)
- 浮上速度の警告音
- 安全停止確認タイマー
- 無限圧潜水時間が0になったら必ず減圧停止をする
- 自分で安全を意識しながら潜る
- よく使う9つの機能を紹介!説明書よりわかりやすい操作方法を解説
- ダイブコンピュータの指示を守っても減圧症になることがある
を詳しく書いています。
今回は「ダイブコンピュータの使い方をきちんと教えてほしい~!」という声をもとに記事にしました。
ダイブコンピュータを買ったのはいいけど、使い方を知らずにただ持っていれば安心と思っている人も多くいます。
その理由は2つあると思います。
1つ目は、ダイブコンピュータの使い方をきちんと教える機会がない
2つ目は、インストラクターも正しい使い方を教わっていない
1つ目の理由は、講習料金がかかるなら敬遠するダイバーは多いからです。アドバンス講習で教えることはできますが、教えてほしいタイミングでなければ、頭に入りません。
教えてほしいというタイミングでアドバイスするべきと思っています。
2つ目の理由は、インストラクターもどう見るのが正しいのか教えてもらわずに使っていました。経験や説明書から使い方を覚えたので、「こうやって使うといいよ!」と上手く言えなかったと思います。
今回はこの2つの理由を解決するために、誰でも教えてほしいタイミングで言葉で理解でき、できるだけわかりやすくブログでまとめてみました。
ダイブコンピュータを持っているダイバーが、どう使ったらいいのかを知るキッカケになってくれたらうれしいです!
ダイビングの始め方、スキルアップ、器材の買い方、楽しみ方を体系的に学べ、どこよりもわかりやすく解説しています。ぜひ一度読んでください!
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