この記事では
ダイビングライセンス(Cカード)を取りたいけど
- ダイビング指導団体ってなに?
- ダイビング指導団体の違いって何があるの?
- ダイビングライセンスはどこがいいの?
という人に向けて、実際にダイビングのインストラクターとしてアドバイスしてきたモンツキくんが
「ダイビング指導団体の違いとおすすめ2選を徹底解説!」について
- わからないことを
- 1つずつ、できるだけ簡単に
- 納得できるように
紹介していきます。
ダイビングライセンス(Cカード)を取りたいけど、どこの指導団体がいいのかはかわからないと思っている方は
わかりやすくまとめてみましたので、ダイビングライセンスを取得する前に読んでみてくださいね。
ダイビング指導団体とは?
ダイビング指導団体とは、ダイビングのライセンス(Cカード)を発行したり、ダイバーの育成と指導や安全管理などをしている民間団体になります。
ダイビング指導団体は1960年頃に誕生、アメリカではNAUI、数年後にPADI、イギリスではBSACという指導団体ができ、日本はアメリカからダイビングが入ってきたためNAUI、PADIの指導団体に属するダイビングショップが多いです。
今現在、日本では約30団体、世界では約200団体ほどリストには載っています。
世界の歴史あるライセンス指導団体のうち日本で開催できるのはPADI、NAUI、SSI、BSAC、CMAS、SNSIなどがあります。
この記事ではわかりやすいように
ダイビング認定証である
Cカード=ダイビングライセンス
と記載しています。
公的な機関ではないダイビングの指導団体が発行するものは「ライセンス」とは呼べないので、「認定書」という意味で「Cカード」(Certification Card)と呼ばれてます。
一般的には最初のダイビングライセンスの取得を「Cカード取得」と言うことが多いですがアドバンスなどステップアップのダイビングライセンスもCカード(認定書)と言います。
ダイビングショップとダイビング指導団体の関係
ダイビングショップは必ずどこかのダイビング指導団体に属しています。
インストラクターもダイビング指導団体で認定を受けて所属しています。
ダイビングショップに来店
↓
インストラクターによる講習・認定
↓ 発行依頼
ダイビング指導団体がダイビングライセンス発行
↓ 発送
ダイビングライセンスが届く
という仕組みになっています。
各ダイビング指導団体によってなにが違うの?
日本では約30団体、世界では約200団体ほどあると言いましたが
「なんでこんなにあるの?いったい何が違うの?」って思いませんか?
クレジットカードで例えると
種類がいっぱいあってどこが一番いいのかわからないけど、よく使う用途でカードを決めたりしませんか?特典やポイントの付与に違いはあるけど、どこのクレジットカードでもお店で支払いは可能です。
ダイビングライセンスも同じです。
いっぱいあってわからないけど、どの指導団体でも基本的にはダイビングができます。
すべての指導団体に聞かないと詳しくはわからないですが、、、
創設した時期や場所は違うけど、ダイビングに対しての根本的な考えや目指すところは同じだと思います。
根本的な考え方は
- 質の高い実践的なダイビングの提供
- ダイビングを安全に楽しむ
- 世界の海の環境保全の推進
だと思います。
多少違う所としては
- 理念
- 各ライセンスコースの名前
- 各ライセンスコースの指導方法
- Cカード協議会加盟の有無
- RSTC/ISO(国際標準化機構)の認証の有無
どういう思いで指導団体を立ち上げたのか?
質の高いダイビングを目指すにはステップアップと指導をどうすればいいのか?
指導団体の規模や考え方の違いで加盟店の加入や認証を受けるかどうか?
と考え方がいろいろと違うだけだと思います。
ダイビング指導団体の選び方
指導団体によって多少の違いがあるのはわかったけど、
- どんな指導団体があるの?
- 選ぶ基準はどうするの?
をわかるように紹介していきます。
ダイビング指導団体の選び方として
- Cカード協議会
- RSTC/ISO(国際標準化機構)の認証
- 世界に通用する知名度
今回はこの基準を参考に選んでいきたいと思います。
Cカード協議会に加盟しているという基準
「Cカード協議会」とは、「レジャーダイビング認定カード普及協議会」といい、国内の主要なダイビング指導団体で構成されてる団体です。
目的はCカードを発行する「最低指導基準の採択と普及」として1994年に設立され、加盟している指導団体は現在14団体あります。
世界各地域の組織と連携して指導基準のWRSTCを構成している重要なメンバーの1つになっている。
加盟ダイビング指導団体リスト(14団体)とは
- PADI(株式会社パディ・アジアパシフィック・ジャパン)
- NAUI(株式会社ナウイエンタープライズ)
- SSI(HEAD Japan株式会社)
- BSAC(株式会社BSAC)
- SNSI(SNSIジャパン株式会社)
- SDI/TDI/ERDI (JAPAN株式会社インターナショナルトレーニング)
- DACS(セントラルスポーツ株式会社)
- CMAS=JEFF(ジェフ)
- JAPAN CMAS(日本海中技術振興会)
- Stars(水中活動研究所有限会社)
- KDJapan(関西潜水連盟)
- JP(日本職業潜水教師協会)
- JUDF(一般社団法人 全日本潜水連盟)
- Three-i(株式会社海洋リサーチ)
世界的なダイビング指導団体が6団体、日本独自のダイビング指導団体が8団体から構成されています。
WRSTC最低指導基準とISO(国際標準化機構)の認証による基準
「WRSTC」とは、「The World Recreational Scuba Training Council」(世界レクリエーションスキューバトレーニング評議会)といいます。
WRSTCは1997年アメリカにて4地域(カナダ/アメリカ/日本/ヨーロッパ)の指導基準の賛同を得た国際的な組織です。
つまり、ダイビングを楽しむために世界規模で安全の最低限守るべき基準を決めている組織ということです。
「WRSTC最低指導基準」は世界の多くの国や地域で採用され、実質的な世界基準となっています。
WRSTCに加盟しているRSTC4地域のことを
- RSTC(United States)
- RSTC Europe
- RSTC Canada
- RSTC Japan
と言われています。
Cカード協議会に加盟しているダイビング指導団体の中で、WRSTC最低指導基準と/ISO(国際標準化機構)の認証を受けているのは
- PADI(パディ)
- NAUI(ナウイ)
- SSI(エスエスアイ)
- BSAC(ビーエスエイシー)
- SNSI(エスエヌエスアイ)
- SDI/TDI/ERDI (エスディーアイ)
の6団体となります。
世界に通用する知名度が必要な理由
日本だけで潜るなら日本内で知名度があれば問題はありません。
海外で知られていなければ海外で潜れない可能性もあります。
日本だけのダイビング指導団体だと「このカードはダイビングライセンスなの?」と言われたこともありました。
世界の多くの国や地域に通用するには、歴史があり、各地域にオフィスを構えていたり、そのダイビングライセンスが普及しているということが重要になってきます。
なので、どうせ取るのなら世界に通用するダイビング指導団体をおすすめしています。
国内加盟店シェア率はどうなの?
Cカード協議会に加盟してWRSTC最低指導基準と/ISO(国際標準化機構)の認証を受けている6団体のみで統計を取ってみると、
全体で約900のダイビングショップの加盟店がありました。
ただし、ダイビングショップによっては1店舗で2つ以上の指導団体を持っていることもあります。
6団体の国内加盟店シェア率を見てみましょう!
1位PADI、2位NAUI、3位BSACの順になりました。
ここ数年で指導団体を変えたダイビングショップも多くあるので少しシェア率が変ってきていますが、世界最大のスクーバダイビング教育機関のPADIは日本でも強いですね!
世界的なダイビング指導団体の紹介と違いを比較
ここで紹介するのは2つの項目をクリアしている指導団体となります。
- Cカード協議会に加盟
- WRSTC最低指導基準とISO(国際標準化機構)の認証を受けている
まずはアメリカにて創設された順に紹介していきます。
NAUI(ナウイ)
National Association of Underwater Instructorsの略
- 1960年アメリカにて創設
- 世界で最も歴史のあるダイビング指導団体
- アメリカをはじめアジア、ヨーロッパ、南米、中東、南アフリカ、日本などを拠点に多くの世界でNAUIインストラクターが活躍
- 「最愛の人を任せられる信頼」「教育を通した安全なダイビングの実践」の2つの理念を持つ
- 「教育の自由」による個々の講習生に合わせたきめ細かい指導法
- NASA、ウォルトディズニーワールドリゾートに認定された指導団体
- 世界100ヶ国以上、6万人以上のインストラクター、約700以上のダイブセンターを持つ
- 1970年日本に上陸、日本で初めてインストラクター認定コースを開催
- 指導団体のシェア率は世界の2割を占める
PADI(パディ)
Professional Association of Diving Instructorsの略
- 1966年アメリカにて創設
- ダイビングのトレーニングを軍隊式からレジャー向けに楽しめるシステムを作り、ダイビングの普及に貢献
- アメリカ、日本をはじめ世界に7ヶ所のエリアオフィスを持つ
- 世界最大のスクーバダイビング教育機関
- NAUIジョン・クローニンとラルフ・エリクソンによりPADIを創設
- 世界186ヶ国以上、12万8千人以上のインストラクター、約6600以上のダイブセンターを持つ
- 1970年日本にPADI潜水指導協会が設立。
- 指導団体のシェア率は世界の5割を占める
SSI(エスエスアイ)
Scuba Schools Internationalの略
- 1970年アメリカにて創設
- 高品質な認定基準のサービスを提供
- SSIと提携できるのはダイビングショップのみ、個のインストラクターはショップに属さないといけない
- 指導内容の品質を高めるためにPADIから派生
- 世界110ヶ国以上、約2800以上のダイブセンターを持つ
- 2017年にHEADJapanの傘下となり内部組織も変り、今までの考え方に変化が出てきているかも
SDI(エスディーアイ)
Scuba Diving Internationalの略
- 1998年TDIから発足(TDIは1994年に創設)
- 世界で最も大きなテクニカルダイビングのTDI指導団体から設立
- テクニカルダイビングの知識を生かし理論的に器材の進化に対応する教育
- 地域事務局は28カ所の国や地域をまたいで運営
- 日本では2016年に上陸、韓国ではPADIと同等のシェアを持つ
ヨーロッパにて創設された順に紹介していきます。
BSAC(ビーエスエーシー)
The British Sub Aqua Clubの略
- 1953年イギリスにて「クラブ」として創設
- 2014年イギリスのウィリアム王子が名誉総裁に就任、英国王室との縁が深いダイビング指導団体
- 地域オフィスがイギリス、日本、韓国、タイにある、世界的には知らない国も多いかも
- 「安全が最優先される」という理念を持つ
- 日本ではスポーツクラブやスポーツ関係の専門学校を通して拡大
SNSI(エスエヌエスアイ)
Scuba and Nitrox Safty Internationalの略
- 1994年イタリアにて創設
- SSIから派生して生まれた指導団体
- テクニカルダイビング(水深40m以上のダイビング、洞窟でのダイビングなど)の認定機関として有名
- 現在はヨーロッパ・北米・南米・アジアで急成長している
- 質の高いトレーニングを目指し講習は練習時間が長く回数も多く実施している
- 2017年では日本に上陸、今までSSIという指導団体の中心的なダイビングショップが一斉にSDSIへ移籍した。
- 日本では新しい指導団体だけに内部の方針や考え方の違いが出てくる可能性も
RSTC/ISOの非認証の団体ですが歴史の古い指導団体として紹介します。
CMAS(クマス)
Confederation Mondiale des Activites Subaquataresの略(フランス語)
- 1959年フランスにて創立
- CMASは指導団体名ではなく水中活動の指導を行う世界水中連盟である
- CMASがライセンスカードを発行するのではなく、CMASの連盟に加入する各指導団体がライセンスカードを発行する
- 日本ではJEFF、Stars、JCS、KDJapanなどが加盟している
ダイビング指導団体のおすすめ2選
いろいろとお話ししてきましたが、おすすめするのは!
PADIとNAUIがいいです。
おすすめする理由としては
- Cカード協議会に加盟している
- WRSTC最低指導基準とISO(国際標準化機構)に認定されている
- 世界に通用する知名度がある
- 世界的にも日本でも歴史もある
- 指導方針や運営が安定している
を重視してダイビングの指導団体を選びました。
この2団体だけで世界シェアの7割ほど占めています。
今回まとめるに当たり、ダイビング指導団体に勤めている方のお話や聞こえてくる指導団体内部の噂も踏まえ、中立的な立場で出した結論になります。
決して他の指導団体自体が良くないと言うことではありません。ただ、世界的に有名な指導団であっても、日本では数年前に上陸したばかりであったり、指導団体の内部組織がガラリと変って方向性が今後どうなるのか不安?という理由や実態がつかみにくい指導団体があるというは事実です。
指導団体選びより重要なことはダイビングショップ選び
今までダイビング指導団体のことをまとめてきて最後にこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが、
ダイビング指導団体選びよりも「ダイビングショップ選び」が重要ということです。
なので、選び方としては
ダイビングショップを決める
↓
指導団体はどこかな?
↓
ダイビングショップも指導団体も安心!
という感じで決めることをおすすめします。
ダイビング指導団体を決めることは重要です。
ただ、実際に指導するのはダイビングショップのインストラクターです。
指導団体が有名なところでもダイビングショップの雰囲気、講習の方針(講習内容、料金、講習人数、スケジュール)、インストラクターのスキルなどによってかなり講習内容に差が出てきます。
ダイビングライセンスを取得したダイビングショップとはこれからも一緒にダイビングをしたりすることも多くなります。
最も大切なことは
- 雰囲気が自分に合っている
- 信頼性がある
- スタッフとの相性がいい
- ダイビングを楽しめる
ということだと考えています。
なので、ダイビングショップを選んでからダイビング指導団体を確認することをおすすめしています。
ダイビングライセンスを取りたいけど、まだショップを決めていない人は読んでみてください!
≫【ダイビングライセンス】失敗しないダイビングショップの選び方7選!
ダイビング指導団体が違っていてもできること
多くの方がダイビングの指導団体が違うとできないと思っていることがあると思います。
よく聞かれる質問を2つ紹介しますね!
ダイビング指導団体の違うダイビングショップでも潜れるの?
ダイビングの指導団体が違っていてもダイビングライセンスがあればどこのダイビングショップでも潜れます。
いろんな所へ潜りに行けば新しいダイビングショップで潜ることになります。
ダイビングショップでは始めにダイビングライセンスとログブックを確認します。
メジャーなところであればすぐに「いいですよ~」と確認できますが、あまり知られていない指導団体だったりすると確認するのに少し時間がかかるかもしれません。
なので、知名度のあるダイビング指導団体の方がいいですよね!
ステップアップする時に指導団体は変更できるの?
ステップアップコースの講習は別のダイビング指導団体で受けることができます。
よく質問されるその理由は
- 通っていたダイビングショップを変えたい
- たまたま行ったダイビングショップでステップアップを勧められた
- 今のダイビングライセンスをメジャーなライセンスに変えたい
などがあります。
各ダイビング指導団体によってステップアップのコースの作り方や呼び方には多少違いはありますが、同等のライセンスコースからステップアップが出来るようになっていますので安心してください。1からやり直すと言うことはありませんよ。
例えば、
SSI「オープンウォーターダイバー」
PADI「オープン・ウォーター・ダイバー」
NAUI「オープンウォーターダイバー」
↓○
NAUI「アドバンスダイバー」にステップアップ可能
このように、どのダイビング指導団体でも同等のライセンスコースからであれば次のステップアップコースに行くことができます。
「ダイビング指導団体の違いを徹底解説とおすすめ2選!」のまとめ
今回は「ダイビング指導団体の違いを徹底解説とおすすめの2選!」というテーマを紹介しました。
- ダイビング指導団体はダイビングライセンスを発行し安全を管理している民間団体である
- 日本に約30、世界に約200のダイビング指導団体がある
- ダイビング指導団体のおすすめはPADIとNAUIである
- 選び方のおすすめの理由としては5つある
「Cカード協議会に加盟」
「WRSTC最低指導基準とISO(国際標準化機構)に認定」
「世界に通用する知名度」
「世界や日本でも歴史がある」
「指導方針や運営が安定」
- 重要なことはダイビング指導団体選びよりダイビングショップ選びである
- ダイビング指導団体が違ってもどこのダイビングショップでも潜れる
- ステップアップする時にダイビング指導団体は変えれる
ダイビングライセンスを取りたいと思っている方は、ダイビングの指導団体についてわからないことや不安をなくして取得しましょう。
今回はダイビング指導団体のことをかなり関係者からも聞きき、わかったことがあって勉強になりました。インストラクターでもここまで知っている人はほとんどいないと思いますよ!
ダイビングをやってみたい!「始め方から楽しみ方、器材の買い方、スキル克服まで丁寧に完全解説」している記事を是非読んでみてください!↓
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